冬から春にかけて、浜松市ではいちごの美味しい季節がやってきます。温暖な気候と豊富な日照に恵まれた浜松のいちごは、地元の人はもちろん、遠方から訪れる人たちにも人気です。今回は、浜松市で育てられているいちごの品種や、その味わいの特徴についてご紹介します。
浜松市で栽培されるいちごの品種
浜松市内の農園では、さまざまないちごの品種が栽培されています。なかでも定番と言われるのが「章姫」と「紅ほっぺ」です。
「章姫」は、比較的大粒で果肉が柔らかく、酸味が少なく甘みが際立つ品種です。口に入れた瞬間から優しい甘さが広がり、いちご本来の爽やかな香りも楽しめます。酸味が控えめなので、小さなお子さんや酸っぱいものが苦手な方でも食べやすいのが特徴です。
一方「紅ほっぺ」は、甘みと酸味のバランスが良く、味に奥行きがあります。果肉はややしっかりしていて、噛むほどにジューシーな果汁があふれ出します。まさに“いちごらしいいちご”という表現がぴったりの品種で、食べ比べるとその違いがよく分かります。
いちごの味わいをじっくり楽しむ
浜松のいちごは、品種ごとに異なる甘みや酸味、食感を楽しむのが醍醐味です。特に採れたての完熟いちごは格別で、口に入れた瞬間に広がるみずみずしさはスーパーのものとはひと味違います。品種によっては、最初はしっかり甘みを感じ、後味にほのかな酸味が残るものもあれば、食べ終わりまでずっと甘さが続くタイプもあります。
また、ヘタの近くはややさっぱり、先端にいくほど甘みが強く感じられるのも、いちごならではの面白さです。食べ比べながら「この一粒は最高だなあ」と思わず声が出てしまう瞬間もあり、そういう時間もいちごの楽しみのひとつだと感じます。
浜松ならではの環境が育てる美味しさ
浜松市は日照時間が長く、いちごの生育に必要な太陽の光をたっぷり浴びられる環境に恵まれています。加えて、冬場も比較的温暖なため、ビニールハウス内の管理がしやすく、品質の安定したいちごが育ちやすいと言われています。
また、多くの農園で高設栽培を採用しており、土からの病害を防ぎながら、きれいで形の良い実を収穫できるのも特徴です。こうした工夫が、粒ぞろいで美味しいいちごを安定的に届けてくれる理由になっています。